大会長挨拶

第63回日本歯科医療管理学会総会・学術大会
大会長  岸 光男
岩手医科大学歯学部口腔医学講座予防歯科学分野

 第63回日本歯科医療管理学会総会・学術大会が2022年(令和4年)6月17日(金)から19日(日)までの3日間、岩手県盛岡市で開催されるはこびとなり、大会長としてご挨拶申し上げます。

 2011年の大震災・津波から10年も経ずに、今度は新型コロナウイルス感染症流行という厄災が訪れました。2021年には東北で震災からの復興の歩みを顧みるたくさんのイベントが用意されていましたが、ことごとく縮小、もしくは中止となってしまいました。そのようなイベントだけでなく日々の生活において、コロナ禍は真綿で首を絞めるようにいつまでも出口の見えない忍耐を我々に強いてきました。その様な状況で、多くの歯科医療機関が感染対策の面でも、経営面でも非常に難しい判断が迫られる日々が続いてきたことと思います。10年越しの2つの大禍を経て、さらに、3年後の2025年問題を控え、我々歯科医療提供者の心がまえはどのように変わってきたでしょうか。この2年間、他の歯科診療所はどんな工夫をしてきたのか、氾濫する情報をどのように取捨選択してきたのか、被災地では10年の間、どのような苦労があったのか、知りたいことばかりです。そこで今回の大会テーマを「歯科医療へのそなえは変わったか」とし、いろいろな方から、この2年、そしてこの10年のお話を伺い、超高齢社会にポストコロナが加わったこれからの時代の歯科医療を皆さんと考えたいと思っています。

 特別講演講師には健康情報学の専門家である京都大学大学院教授の中山健夫先生にお願いし、「不確実性の中での意思決定(仮)」についてご講演いただく予定です。また、教育講演では「ポストコロナのぬくもりある対人マナー(仮)」と題して東京学芸大学特命教授の坪田まり子先生にお話しいただくことになっています。診療所スタッフの方々にも是非、聞いてもらいたいお話しだと思います。

 さらに、市民公開講座では釜石市で被災された開業歯科医の及川陽次先生に10年前からこれまでの体験を語っていただき、一般市民の方にも歯科医師が震災を経てどのように頑張ってきたかを知っていただく機会を設けたいと思っています。加えて、チーム岩手によるシンポジウムも企画しており、岩手県歯科医師会長の佐藤 保先生に基調講演をお願いしております。

 このように盛りだくさんな学会です。皆さん、少し出不精になっていることと思いますが、ご満足いただける学会となるようスタッフ一同、鋭意準備に勤しんでいます。

 大会期間、盛岡は新緑が美しい時期です。八幡平の頂上ではドラゴンアイが円らに輝いています。是非、盛岡にいらして、岩手の自然と美味しい食べ物そして何より懐かしい仲間との交流を楽しんでください。

 皆様のご来盛をこころよりお待ちしております。